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総合学習

教育内容
試して

課題に対して仮説を立てて、実際に試してみます。実験や観察が、物事を「ジブンゴト」にする第一歩です。

まとめて

試して得られた情報を整理していきます。自ら集めたデータを客観的に捉え、知識と組み合わせる力が養われます。

書いて

整理し、検証した結果をポスターや論文の形に書き表します。図表や写真も使い、わかりやすく文章を組み立てます。

発表する

要点をまとめ、口頭でのプレゼンテーションを行います。発表は学び合いを生み、質疑応答がそれをさらに深めます。

土と生命(いのち)の学習

「つながり」をテーマに持続可能な未来社会を考える。

総合的な学習の時間は、まさに「思考する学び」の時間そのもの。本校では開校以来、中学1・2年次の総合で「土と生命の学習」に取り組んでいます。テーマは「つながり」。物事を「ジブンゴト」として捉えるために「食」に起点を置き、人と人、社会、自然、世界とのつながりを考えます。

農作業を切り口に「行動」を起こす

学習の柱となるのは、校舎前の自然フィールドで体験する農作業。校舎の目の前の田んぼや畑で、米作りや夏野菜栽培を行います。これらの体験を出発点とし、食文化や社会の仕組み、環境などに関心を広げます。田植えや種まきから始まり、観察、手入れをした後に収穫を経験でき、身近な場所で行う活動ならではの「ジブンゴト」としての学びがあります。もちろん成功ばかりではなく、うまく育たない時にも「思考」するからこそ「学び」が深くなります。この実体験をもとに、班ごとにテーマを設定して「試して・まとめて・書いて・発表する」探究学習へと進みます。

1・2年合同グループ

1・2年生合同で6~8名単位のグループを作り、さまざまなテーマの探究学習を行います。実際に農作業を行う中で感じた様々なつながりから、自分たちが大人になった時、どのような課題に向けて取り組まなければならないかを話し合います。このときの指標となるものがSDGs(持続可能な開発目標)。「自分」「社会」「多様性」のジャンルで各2つのテーマについてグループ学習を行い、その成果は「明実祭」で発表します。その後は学年ごとに分かれ、1年生は2年次に取り組む作物についてゼミ活動を続け、2年生は課題研究論文に向けての学習にシフトします。

ポスターにまとめる

iPadを使いながら、グループのメンバーと協力して要点をまとめ、相手に伝わりやすいレイアウトを考えて仕上げていく、そんな工程が「思考する学び」そのものになります。こうして仲間と協力して作り上げたポスターをもとに、プレゼンテーションの内容を考えます。

生徒全員、一人ひとりのプレゼンテーション

「土と生命の学習」のプレゼンテーションは、生徒全員が、一人ひとり行います。代表者だけが行うわけではありません。グループの中で全ての発表内容を共有し、メンバーがそれぞれ分かれて同じ内容の発表をすることになります。自分の発表以外の時間には別のグループの発表を見て回ることで、発表する側にも、見る側にも責任感が芽生えます。

理科+社会+家庭+…

教科横断型の取り組みで接続可能な未来を考える

グループ学習

「試して」「まとめて」「書いて」「発表する」

各グループが掲げるテーマに沿って、教科横断型の実験を行います(「試して」)。その結果を「まとめて」「書く」ことで、総合的に問題を解決する能力を身につけ、最後に発表会でプレゼンテーションし、表現力・対応力も養います。

課題研究論文

課題を発見し、試して、まとめて、書いて、発表する。

土と生命の学習がグループでの取り組みであるのに対し、課題研究論文は個人の取り組みです。テーマは自由。開校時から大切にしている「なぜ?どうして?」の問いにとことん突き詰めることができます。教科書の勉強だけではなく、生徒各々の好奇心を大事にし、人間性を育んでいきたい。千葉明徳の思いの詰まった学びです。

グループ学習

ゼミ方式の活動で、調査した情報を共有していくための発表を繰り返し行います。

個別学習

論文を仕上げるだけではなく、プレゼンテーション形式で論文内容を発表します。

個人で取り組む「思考する学び」

2年次の明実祭でプレゼンテーションを終えた後すぐに、課題研究論文の準備に入ります。「土と生命の学習」はグループでの協働ですが、「課題研究論文」はあくまでも個人の取り組み。論文を書き始める前に、論文の構成を学び、キーワードマッピングやマンダラートの取り組みを通して研究課題を決定します。課題発見の根幹に置くのは「社会とのつながり」。その研究が社会に役立つかどうかをもとに広く、深い思考を積み重ねていきます。

ゼミ活動で行う質疑応答

論文作成の拠点となるのは7〜8名ずつのゼミ活動。研究そのものと論文を書き上げる作業自体は個人の取り組みですが、ゼミの中で研究の成果を発表し合い、質疑応答を繰り返すことで、その内容をレベルアップさせていくことができます。それぞれに研究しているテーマが異なるため、時にはゼミのメンバーから全く予想しなかった視点を得られることも。このゼミ活動を繰り返す中で研究の方向性が変わることは珍しくありません。こうした「共有」こそが、「思考する学び」の醍醐味と言えます。

担当とのやり取りで積み上がる仕組み

ゼミ担当の先生とは、1年半の研究の中で原稿のやり取りを何度も繰り返します。ゼミの「共有」の中で意見をもらったり、個人的にアドバイスをもらったりしたものは、iPad上ですぐに反映させ、データを提出し、また添削をしてもらう。少人数のゼミだからこそ、担当の先生との密なやりとりができ、常に客観的に内容が精査されることで、内容が深く、読みやすい論文を仕上げることができます。

論文集と論文発表会

論文は3年次学年末にまとめられ、「課題研究論文集」として1冊の本になります。学年全員の論文が集められた冊子を手に取ると同時に、それぞれの取り組みの重みを感じられます。また「課題研究論文発表会」を行い、それぞれの研究内容について、全員が10分間のプレゼンテーションを行います。そこでも観衆となる1・2年生や保護者、先生から質問を受けるため、しっかりと答えられるように準備をして臨みます。

目に見えない力を可視化する“ルーブリック評価”

「プレゼンテーション力」という目に見えない力を可視化する評価基準として、ルーブリック評価を導入。より高い目標に向けて意欲的に学ぶことができるようになります。

ルーブリック評価表(参考例)
評価基準 評価指標:表現力(表情・目線)
S(4) 豊かな表情で、聞き手とアイコンタクトを保ち、手元の資料を見ないで分かりやすく伝えている。
A(3) 豊かな表情で、聞き手とアイコンタクトをとっているが、ときおり手元の資料を見ている。
B(2) ときおり聞き手とアイコンタクトをとっているが、ほとんど資料を読んでいる。
C(1) 資料を読んでいるだけでアイコンタクトはできていない。