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2学期始業式

2020.08.24

200824始業式.jpg
 いつもより少し早く2学期がスタートしました。
始業式での校長講話を掲載します。今回も1学期終業式と同様に,各教室への放送で行いました。

・・・・・・・・校長講話・・・・・・・・


 本日から2学期が始まります。今日の始業式も、皆さんの健康への安心・安全面を優先させ,放送で実施することにしました。
 さて,この夏の間も,新型コロナウイルスの感染拡大は続き,多くの制限がある中での夏休みとなりました。夏休みに入る直前に梅雨が空け,夏休み期間中は、連日猛暑が続きました。そんな中での,短い夏休みでしたが皆さんにとって,どんな夏休みだったのでしょうか。
 そんな中で,まずは,私自身が体験したこの夏の出来事について一つお話しします。今年の夏,夏の風物詩でもある甲子園での高校野球選手権大会が中止になりました。これを受けて,各都道府県では,3年生を中心とした独自大会がもたれました。その中で,本校硬式野球部の皆さんは,千葉市内のトーナメントを見事に勝ち抜き,地区優勝に輝きました。決勝トーナメントでは,この独自大会の優勝校,木更津総合高校に3-0で敗れてしまいました。実は,そのベンチ入りメンバーの中に千葉明徳中学校出身の先輩がいました。高校3年生の佐藤 聖真君です。佐藤君は,三塁コーチャーとして,大声でチームを励ましました。三塁コーチャーは,主に塁にランナーが出た際に,身振り手振り,そして大きな声を出して,ランナーの進塁を指示する重要な役割を担っています。今大会でも,佐藤君は,三塁コーチャーとしてのファインプレーを沢山見せていました。更に,佐藤君は,大会中,代打として3打席バッターボックスに立ちました。1回目は、1回戦で決勝タイムリーヒットを打ちました。3回目は,木更津総合高校戦で,今大会屈指のピッチャーから二塁打を放ちました。千葉明徳が勝ち進んでいった様子は,皆さんの家庭やご近所でも,話題になっていたことと思います。野球部の皆さんの頑張りは,学校全体を勇気づけ,そしてその頑張りは,中学生も含めた多くの皆さんへと繋がったことを確信しています。頑張ることは繋がります。頑張ることは,人の心を動かしていきます。
 次にもう一つ,皆さんに考えて欲しいことをお話します。今年は,終戦から75年目というの節目の年でもありました。8月15日の新聞の『語りつぐ戦争』という見出しの投稿欄に『疎開前にライスカレー、母が尽力』という題名の投稿がありました。87歳の女性からの投稿で,1944年(昭和19年)の出来事でした。
 終戦の1年前の出来事です。戦況は,不利な状況が続き,あちこちの都市が空襲を受けるようになった頃の話しです。このころ庶民の食糧事情も思うようにならない状況で,子供たちの給食には,おから入りのご飯やコッペパン1個,おかずはなしという日もあったとのことでした。登下校の時に,軍需工場の工員さん向けの食堂があり,この食堂の前を通ると良い匂いがして空腹にこたえたとのことでした。しかし,この食堂で食べるためには,特別な食券が必要であり,一般人は諦めざるを得ませんでした。そして,いよいよ戦争の状況が厳しさを増す中,当時11歳だった投稿者と2歳下の弟が学童疎開をすることになりました。学童疎開とは,小学生を中心に親元を離れ,空襲を受けやすい都市部から地方に集団で移住する制度でした。学童疎開への出発が近づいたある日,二人の兄弟は母親に先ほどの食堂に連れていかれ,開店前,裏口からそっと中に入ったとのことでした。すると山盛りのライスカレーが二人だけにだされ,弟と夢中で食べたとのことでした。あの時,母親は私と弟が食べる姿をどんな思いで見ていたのか,あの日のライスカレーの味は今でも忘れられません,という内容でした。
 この内容から,皆さんはどんなことを感じたでしょうか。戦後75年,戦争の実体験を語れる方も少なくなりつつあります。私自身も戦後の生まれです。私は,この投稿から皆さんに学んで欲しいこと,それは,過去の歴史を学ぶことの意義です。歴史とは,過去の現実です。そんな歴史の積み重ねの上に現在があります。
 つまり,歴史を知ること,学ぶことは,現在を理解することに繋がります。そしてさらに,未来を考えることに結びついていくということをしっかり胸に刻んでおいて欲しいと思います。是非,皆さんは今度,お家でカレーライスを食べるときに,今日,紹介した投稿者のライスカレーの味を想像してみて下さい。
 例年より早い2学期がスタートします。9月30日からは,3日間の日程で中高合同の文化祭,体育祭も予定されています。限られた中ではありますが,大いに楽しみましょう。
 それでは,この2学期が,それぞれの皆さんにとって,大きく成長する時間になることを心から願い,始業式にあたってのお話しとします。