学園ニュース
学園ニュース 2025年3月号(293号)
【短大】

■◆■千葉明徳短期大学 准教授 田中 葵■◆■
3月15日(土)、第54回卒業証書授与式を行いました。
54回生となる卒業生たちは、各ゼミ教員の呼名により、一人ひとり舞台に立って卒業証書を受け取りました。高校生活がコロナ禍であったこの学年は、2年間、授業や実習はもちろん、学園祭などの学校行事も目一杯頑張り楽しんだ学年でした。教員が表彰したいと思う学生が数多くいたため、初となる「学長賞」も授与されたほどです。式後も、2年間学んだ短大の校舎で、名残惜しそうに仲間や教職員と語り合う姿が印象的でした。
卒業生代表として答辞を述べてくれた緑川なつみさんは、2年間の学びや思い出を丁寧に振り返り語ってくれました。以下抜粋でご紹介しますが、最後に彼女が語ってくれた通り、卒業生が安心して帰ることのできる場所として、これからもあり続けたいです。
「回想とメッセージ」 緑川なつみ
(前略)学生生活の思い出を振り返ると、私自身を成長させるきっかけになった「実習」が思い浮かびます。1年生の保育・施設実習では、保育内容演習のグループごとに行った教育実習とは異なり、1人で実習に行くことや宿泊での実習、毎日の日誌提出、子どもや利用者との関わり方など不安が沢山ありました。しかし、巡回に来てくださった先生方の応援の言葉や、どんな相談でも真剣に聞き、見守ってくれる家族、異なる場所で同じように頑張っている友だちと励まし合う中で改めて私は様々な人に支えてもらっているのだと実感しました。
2年生の教育・保育実習では、子どもの前に出る機会も増える中で、自分の願いを子どもにうまく伝えることができないもどかしさや、子どもたちに寄り添うことができているのか、この援助が適切なのかなど不安が募り、悩むことも多くありました。保育には絶対的な教科書がありません。だからこそ責任実習では目の前にいる子どもとどんな遊びをするか、またどのように援助するのかなど、全て考えなくてはいけないことに苦戦し、責任実習の当日は不安でいっぱいでした。しかし、活動後の「楽しかった!」という子どもの声や、翌日にも責任実習で製作したものを子どもが手に握りしめている姿を見て、達成感で胸がいっぱいになりました。そして私はこの実習を通して、子どもの視点に立ち、保育を一緒に楽しむことが何よりも大切だということに改めて気づきました。(中略)
私たちはこれから、それぞれが選択した道を進んでいくことになります。その道は決して楽しいことばかりの道ではないと思います。しかし、最後の講義では多くの先生方が「現場に出て困難な壁にぶつかった時には、相談しにここに帰っておいで」という暖かい言葉を私たちに贈ってくださいました。不安も数えきれないほどあるけれど、私たちには安心して帰ることのできるこの場所があります。この温かい言葉や明徳で学んだことを胸に刻み、それぞれの力を発揮できるよう励んでいきたいと思います。
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【高校】

■◆■千葉明徳高等学校 教諭(3学年主任) 安蒜 和宏■◆■
3月1日、360名の生徒が千葉明徳高等学校を無事に卒業し、各々の夢や目標を実現させるために、次の新しいステージへ旅立っていきました。
思い返せば三年前、担任を熱望していた私が、前校長の園部先生に呼ばれて話をされ、お断りしたにもかかわらず、以後当時の全ての管理職の先生方と面談をさせられ、学年主任を嫌々引き受けなければならなかったことを今でもハッキリと覚えています。ホームルーム担任をし、部活動を全力で指導することを目指して「教師」という仕事に就いたはずでしたが、それがいつの間にかコース長をさせられ、さらに生徒指導部長まですることになり、担任業務から外れた四年間、コロナ禍ということも加わり、正直言って毎日が物足りなさでいっぱいでした。なぜ、そこまで強く断り続けたかと言えば、もし学年主任を引き受けてしまえば、また三年間教師として物足りない日々を送らなければならないと思ったためです。
『教育』には、子どもたちに対し「教えて育てる」ことと、様々な環境で育ってきた子どもたちに対し、教師がその子に応じた指導方法を考えていく、「教えながら我々も育つ」ことの二つの意味があるのだと私は学んできました。担任であれば子どもたちの毎日の学校生活や、様々な行事の中での表情を見ているだけで、日々成長していることが実感出来ます。しかし、担任以外の立場では、それを感じることが出来にくく、もしかすると私は「疎隔されているのでは」と疑う日々もありました。
多くの先生方に説得され、渋々引き受けたため入学式までの期間は「心配」と「不安」だらけの毎日であり苦痛の日々でした。しかし、「考え方を変えて、学年全生徒の担任という気持ちでやればいいんじゃないの?」と、ある仲間の一言でようやく考えを変えることが出来ました。
子どもたちが学校の生活にも慣れ、6月に入り初めての「学年レク」を実施した際、たまたま私の誕生日だったため、自分から生徒に振ったところ、学年の生徒の多くが「happy birthday」を歌ってくれました。その時、「こいつらのためなら何でもやってやろう!」と思えたことも、仲間の一言とつながるものでした。
学校とは勉強だけを教える場ではなく、むしろ「社会性」や「協調性」を身につける場所でもあるため、「やるときはやる」、「楽しむときには全力で楽しむ」という信念の下、日々の生活にメリハリを付けさせることを念頭において指導をしていきました。一日一日、信念を曲げずに生徒と向き合い、保護者とも向き合い続けてきたことで、徐々に信頼していただけるようになり、私自身も多くの事を学ぶことが出来ました。今振り返ってみた時、学年主任が出来たということは私にとって大きな財産であり、スキルの向上だけでなく視野を広げてもくれたと思っています。
これも偏に、学年の先生方だけでなく、教科担当の先生方も含め、様々な方からの多くの支えがあり、そして私に足りないことを陰になり日向になってサポートしてくれた、谷澤先生がいてくれたことで、三年間を無事に終えることができたのだと、改めて皆に感謝しております。
縁とは不思議なもので、次年度も引き続き学年主任を任せて頂くことになりました。「達成感や満足」以上に、今はむしろ「もう少しこうしておけば良かった」、「もう少し出来ただろう」などの反省が多く浮かんでいます。これらの経験を全て生かし、より良い指導を心掛け、より良い学年運営を先生方と協力しながら作り上げていきたいと考えています。
卒業式を迎えられ、このように考えられるようになったことは、学年の先生方の力だけではなく、多くの先生方に支えられたからこそだと考えております。次年度以降もこれまで同様にお力添えをいただき、多くの生徒にこれまで以上の満足を持たせ送り出せるよう、日々精進していきたいと思っています。
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【中学校】

■◆■千葉明徳中学校 教諭(3学年主任) 清水 綾乃■◆■
3月22日、一貫コース12期生が中学課程を修了した。
3年前はwithコロナが叫ばれ始めたところで、1年目はマスク着用で毎日健康観察が欠かせなかった。コロナによる休校で小学校時代の経験が不足していることは、多くの子どもたちに影を落としていたと思う。現在も含めマスクを外さない生徒が多く、体力不足、コミュニケーションの経験不足が、多くの長欠者や保健室登校者に繋がっていたのではないかと考える。
感染症が流行するたびに学年閉鎖になるということはあったものの、幸い、すべての行事を行うことができた。そのなかで、価値観をぶつけ合い妥協点を探っていくこと、あるいは相手に配慮した言動をとることが徐々にできるようになってきた。
修了前には3年間を振り返ってのポートフォリオを書き、自分自身の長所(徳)は何か、それを生かして「行動する哲人」になるにはどうすればいいかを発表し、担任の先生とも面談を行った。この取り組みを通してわかったことは、ぶつかったりメンタルブレイクしたりしたことも、その生徒にとっては必要な時間だったことだということだ。中学校は、まさに子どもから自分の哲学を持つ大人に育っていく過程であり、そこで学習も探究も行事も部活動もすべてが繋がっているということを心の底から感じることができた。
働き方改革委員としては、仕事を減らすためには、もっと仕事を仕組み化すべきだと考え、計画的に行動してきたつもりだが、振り返ってみれば、やはりこの学年団だからこそになってしまった部分もある。だが、それでもいいのかもしれないと、今は思う。この学年の先生と生徒でできあがった12期生がどうなるかは、未来のお楽しみである。一緒に学年を支えてくださった藤枝先生、川村先生、川崎先生、安宅先生、鶴田先生、佐藤先生、松尾先生、渡辺先生、そして倉崎先生、管理職の先生方、本当にありがとうございました。
これから高校生になる12期生91名が、明徳中で得たことを誇りに思って船出していってくれることを願っている。とても大変だった。でもとても充実していた。いい3年間だった。
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【幼稚園】

■◆■認定こども園千葉明徳短期大学附属幼稚園 保育教諭 浅貝 えりか■◆■
令和7年3月15日(土)に卒園式が行われ、96名の子どもたちが卒園しました。
子どもたちは当日を迎えるまで、ホールで修了証書の貰い方や、別れの言葉と歌など繰り返し取り組んできました。また、年中組がホールの装飾を作ってくれたことやお祝いの歌を歌ってくれたことなどから、「卒園」ということを意識し、友達と一緒に活動を進めてきました。前日には「緊張する〜」「明日で最後だね、幼稚園楽しかった!」など様々な言葉が聞かれ、幼稚園生活が楽しかったことが感じられました。
当日は少し肌寒い気候ではありましたが、子どもたちが記念樹として植樹した梅の木の花が綺麗に咲く中、笑顔いっぱいの卒園児の姿がたくさん見られました。
この一年、友達と一緒に様々な経験をして、大きく成長した子どもたち。遊びを思いきり楽しむ中で、子どもたちの心が動く瞬間や、やってみたい、どうしてだろう?と疑問に思うことが数えきれないくらいありました。自らが主体的に遊びを楽しんでいく中で様々な成長が見られることを強く感じ、保育者としてその場面に何度も出会うことができたことがとても嬉しかったです。
大切な仲間と過ごした幼稚園でのかけがえのない経験を胸に、これから小学校にいっても自分らしく羽ばたいていってほしいと思っています。
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【やちまた】

■◆■明徳やちまたこども園 保育教諭 大竹 潤弥■◆■
今年度、初めて2歳児クラスを担任しました。
「自分でやりたいけれど、上手くできない」「やることはわかってるけど、もっと遊びたい」そんな姿にどう対応し言葉をかけたらよいのか・・・子どもたちと同じように、私自身も葛藤した一年となりました。2歳児の難しさに直面する日々でしたが、その子にとって今大切なことは何か?その場、その時の最善を常に考え、接するよう心がけてきました。
子どもたちの成長は著しく、特に友だちや友だちのしていることへの関心は目に見えて変化があったように思います。友だちと同じことをしたい!と、真似をしては「一緒にやろう」と誘ってみたり、困っている友だちを見かけると「どうしたの?」「大丈夫?」と心配したり、存在を気にかけることが多くなってきました。自分の思うようにならず、トラブルになることや、“一緒”を喜ぶことで盛り上がりすぎてしまうこともありましたが、こういったことが子どもたちの成長には欠かせないのかなと、傍にいて感じることが多かったです。身の回りのことも、友だちがやらなければやらない、大人にやってほしいと甘えることもありましたが、進級を間近に控え「自分でやる!」という気持ちも高まってきています。
保育の難しさと面白さを感じたこの一年。私にとっても学び多き一年となりました。
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【浜野】

■◆■明徳浜野駅保育園 保育士 南波佐間 紀子■◆■
3月13日(木)に卒園遠足で年長児は、千葉市動物公園へ行ってきました。
数か月前、子どもたちに「今年の卒園遠足はどこに行きたい?」と問いかけると、「絶対動物公園!」「去年の年長さんと同じところに、絶対行きたい‼」との事でした。去年の卒園遠足がクラス内で大盛り上がりし、年中の頃にその姿を見ていたので、〈同じところに行きたい〉という気持ちが強かったようです。去年と全く同じでは…と思い、コロナ禍前のように公共交通機関を利用して行くことを提案すると、「すごく楽しそう」「電車とモノレールに乗れるの⁉」と大喜びでした。
当日は、前夜の大雨が嘘のように晴れ渡り、上着もいらないぐらいの暖かさで、たくさんのお友だちと先生たちに見送られて「いってきま~す」と元気いっぱいに挨拶をして出発。モノレールに乗るのが始めての子も数人おり、先頭車両に乗って、運転士さんの後ろから景色を見ながら「わ~!ジェットコースターだぁ~」とスリルを楽しんでいるうちにあっという間に動物公園駅に着きました。すると、ちょうど子どもたちが楽しみにしていた、フクロテナガザルの鳴き声が聞こえてきました。想像していた声と違ったようで少し怖がっていました。
子どもたちは、象やライオン、レッサーパンダなどの動物を見るよりも、水槽の中を自由に泳ぐアシカを右へ左へと追いかけ、ホオジロカンムリヅルの猫に似たような鳴き声を真似たり、アカハナグマが一生懸命鼻で穴を掘っている姿を観察したりと、個性的な動物たちに魅力を感じたようで、とても新鮮な遠足になりました。今まで遠足の引率で、何十回と動物公園に来ていた私たちも「こんな動物がいたんだね!」「そんなことに興味をもったの⁉」と新しい発見がたくさんあり、子どもたちのおかげで千葉動物公園の新しい魅力を知ることができた1日となりました。
遊び疲れた帰り道、子どもたちが手を繋ぎながら、「先生!遠足すっごく楽しかったね」「連れてきてくれてありがとう」「楽しすぎる1日だったね~」と言ってくれ、嬉しさのあまり泣きそうでした。昨今、保育士に対する世の中の目が厳しくなり、保育の難しさを感じることもありますが、子どもたちの成長や頑張りを側で見守り、一緒に笑い、喜び合える「保育士」という仕事をしていることに改めて喜びを感じ、これからも子どもたちと一緒に成長していきたいと思うことができました。(保育士、最高‼)
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【本八幡】

■◆■明徳本八幡駅保育園 保育士 金澤 萌■◆■
市川市交通部の方が来園し、横断歩道の渡り方や戸外での歩き方などを教えていただきました。
日頃散歩で外を歩くことが多い子どもたち。昨年実施したこともあって、「手を挙げるんだよね!」「手を挙げるのはここにいるよと見えるようにするためだよね!」と話し、4歳児は意味まで分かっている様子でした。
今年1年間、散歩など戸外での活動を通して、繰り返し外での交通ルールを伝え、また“自分で”意識できるようにかかわってきました。これまでの経験がつながっていたことを嬉しく思います。
また、道路で遊ばないこと、飛び出しはしないこと、道路は右側を歩くことの3つの約束をしました。どうしていけないのか?の意味も踏まえて考える時間になりました。
日常の保育の中でもどうしてなのか、どうしたらいいのかなど一緒に理由を考えるきっかけをつくっていっています。
春、暖かくなりこれからの散歩がさらに楽しみになった様子の子どもたちでした。
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■◆■千葉明徳短期大学 准教授 田中 葵■◆■
3月15日(土)、第54回卒業証書授与式を行いました。
54回生となる卒業生たちは、各ゼミ教員の呼名により、一人ひとり舞台に立って卒業証書を受け取りました。高校生活がコロナ禍であったこの学年は、2年間、授業や実習はもちろん、学園祭などの学校行事も目一杯頑張り楽しんだ学年でした。教員が表彰したいと思う学生が数多くいたため、初となる「学長賞」も授与されたほどです。式後も、2年間学んだ短大の校舎で、名残惜しそうに仲間や教職員と語り合う姿が印象的でした。
卒業生代表として答辞を述べてくれた緑川なつみさんは、2年間の学びや思い出を丁寧に振り返り語ってくれました。以下抜粋でご紹介しますが、最後に彼女が語ってくれた通り、卒業生が安心して帰ることのできる場所として、これからもあり続けたいです。
「回想とメッセージ」 緑川なつみ
(前略)学生生活の思い出を振り返ると、私自身を成長させるきっかけになった「実習」が思い浮かびます。1年生の保育・施設実習では、保育内容演習のグループごとに行った教育実習とは異なり、1人で実習に行くことや宿泊での実習、毎日の日誌提出、子どもや利用者との関わり方など不安が沢山ありました。しかし、巡回に来てくださった先生方の応援の言葉や、どんな相談でも真剣に聞き、見守ってくれる家族、異なる場所で同じように頑張っている友だちと励まし合う中で改めて私は様々な人に支えてもらっているのだと実感しました。
2年生の教育・保育実習では、子どもの前に出る機会も増える中で、自分の願いを子どもにうまく伝えることができないもどかしさや、子どもたちに寄り添うことができているのか、この援助が適切なのかなど不安が募り、悩むことも多くありました。保育には絶対的な教科書がありません。だからこそ責任実習では目の前にいる子どもとどんな遊びをするか、またどのように援助するのかなど、全て考えなくてはいけないことに苦戦し、責任実習の当日は不安でいっぱいでした。しかし、活動後の「楽しかった!」という子どもの声や、翌日にも責任実習で製作したものを子どもが手に握りしめている姿を見て、達成感で胸がいっぱいになりました。そして私はこの実習を通して、子どもの視点に立ち、保育を一緒に楽しむことが何よりも大切だということに改めて気づきました。(中略)
私たちはこれから、それぞれが選択した道を進んでいくことになります。その道は決して楽しいことばかりの道ではないと思います。しかし、最後の講義では多くの先生方が「現場に出て困難な壁にぶつかった時には、相談しにここに帰っておいで」という暖かい言葉を私たちに贈ってくださいました。不安も数えきれないほどあるけれど、私たちには安心して帰ることのできるこの場所があります。この温かい言葉や明徳で学んだことを胸に刻み、それぞれの力を発揮できるよう励んでいきたいと思います。


【高校】

■◆■千葉明徳高等学校 教諭(3学年主任) 安蒜 和宏■◆■
3月1日、360名の生徒が千葉明徳高等学校を無事に卒業し、各々の夢や目標を実現させるために、次の新しいステージへ旅立っていきました。
思い返せば三年前、担任を熱望していた私が、前校長の園部先生に呼ばれて話をされ、お断りしたにもかかわらず、以後当時の全ての管理職の先生方と面談をさせられ、学年主任を嫌々引き受けなければならなかったことを今でもハッキリと覚えています。ホームルーム担任をし、部活動を全力で指導することを目指して「教師」という仕事に就いたはずでしたが、それがいつの間にかコース長をさせられ、さらに生徒指導部長まですることになり、担任業務から外れた四年間、コロナ禍ということも加わり、正直言って毎日が物足りなさでいっぱいでした。なぜ、そこまで強く断り続けたかと言えば、もし学年主任を引き受けてしまえば、また三年間教師として物足りない日々を送らなければならないと思ったためです。
『教育』には、子どもたちに対し「教えて育てる」ことと、様々な環境で育ってきた子どもたちに対し、教師がその子に応じた指導方法を考えていく、「教えながら我々も育つ」ことの二つの意味があるのだと私は学んできました。担任であれば子どもたちの毎日の学校生活や、様々な行事の中での表情を見ているだけで、日々成長していることが実感出来ます。しかし、担任以外の立場では、それを感じることが出来にくく、もしかすると私は「疎隔されているのでは」と疑う日々もありました。
多くの先生方に説得され、渋々引き受けたため入学式までの期間は「心配」と「不安」だらけの毎日であり苦痛の日々でした。しかし、「考え方を変えて、学年全生徒の担任という気持ちでやればいいんじゃないの?」と、ある仲間の一言でようやく考えを変えることが出来ました。
子どもたちが学校の生活にも慣れ、6月に入り初めての「学年レク」を実施した際、たまたま私の誕生日だったため、自分から生徒に振ったところ、学年の生徒の多くが「happy birthday」を歌ってくれました。その時、「こいつらのためなら何でもやってやろう!」と思えたことも、仲間の一言とつながるものでした。
学校とは勉強だけを教える場ではなく、むしろ「社会性」や「協調性」を身につける場所でもあるため、「やるときはやる」、「楽しむときには全力で楽しむ」という信念の下、日々の生活にメリハリを付けさせることを念頭において指導をしていきました。一日一日、信念を曲げずに生徒と向き合い、保護者とも向き合い続けてきたことで、徐々に信頼していただけるようになり、私自身も多くの事を学ぶことが出来ました。今振り返ってみた時、学年主任が出来たということは私にとって大きな財産であり、スキルの向上だけでなく視野を広げてもくれたと思っています。
これも偏に、学年の先生方だけでなく、教科担当の先生方も含め、様々な方からの多くの支えがあり、そして私に足りないことを陰になり日向になってサポートしてくれた、谷澤先生がいてくれたことで、三年間を無事に終えることができたのだと、改めて皆に感謝しております。
縁とは不思議なもので、次年度も引き続き学年主任を任せて頂くことになりました。「達成感や満足」以上に、今はむしろ「もう少しこうしておけば良かった」、「もう少し出来ただろう」などの反省が多く浮かんでいます。これらの経験を全て生かし、より良い指導を心掛け、より良い学年運営を先生方と協力しながら作り上げていきたいと考えています。
卒業式を迎えられ、このように考えられるようになったことは、学年の先生方の力だけではなく、多くの先生方に支えられたからこそだと考えております。次年度以降もこれまで同様にお力添えをいただき、多くの生徒にこれまで以上の満足を持たせ送り出せるよう、日々精進していきたいと思っています。

【中学校】

■◆■千葉明徳中学校 教諭(3学年主任) 清水 綾乃■◆■
3月22日、一貫コース12期生が中学課程を修了した。
3年前はwithコロナが叫ばれ始めたところで、1年目はマスク着用で毎日健康観察が欠かせなかった。コロナによる休校で小学校時代の経験が不足していることは、多くの子どもたちに影を落としていたと思う。現在も含めマスクを外さない生徒が多く、体力不足、コミュニケーションの経験不足が、多くの長欠者や保健室登校者に繋がっていたのではないかと考える。
感染症が流行するたびに学年閉鎖になるということはあったものの、幸い、すべての行事を行うことができた。そのなかで、価値観をぶつけ合い妥協点を探っていくこと、あるいは相手に配慮した言動をとることが徐々にできるようになってきた。
修了前には3年間を振り返ってのポートフォリオを書き、自分自身の長所(徳)は何か、それを生かして「行動する哲人」になるにはどうすればいいかを発表し、担任の先生とも面談を行った。この取り組みを通してわかったことは、ぶつかったりメンタルブレイクしたりしたことも、その生徒にとっては必要な時間だったことだということだ。中学校は、まさに子どもから自分の哲学を持つ大人に育っていく過程であり、そこで学習も探究も行事も部活動もすべてが繋がっているということを心の底から感じることができた。
働き方改革委員としては、仕事を減らすためには、もっと仕事を仕組み化すべきだと考え、計画的に行動してきたつもりだが、振り返ってみれば、やはりこの学年団だからこそになってしまった部分もある。だが、それでもいいのかもしれないと、今は思う。この学年の先生と生徒でできあがった12期生がどうなるかは、未来のお楽しみである。一緒に学年を支えてくださった藤枝先生、川村先生、川崎先生、安宅先生、鶴田先生、佐藤先生、松尾先生、渡辺先生、そして倉崎先生、管理職の先生方、本当にありがとうございました。
これから高校生になる12期生91名が、明徳中で得たことを誇りに思って船出していってくれることを願っている。とても大変だった。でもとても充実していた。いい3年間だった。

【幼稚園】

■◆■認定こども園千葉明徳短期大学附属幼稚園 保育教諭 浅貝 えりか■◆■
令和7年3月15日(土)に卒園式が行われ、96名の子どもたちが卒園しました。
子どもたちは当日を迎えるまで、ホールで修了証書の貰い方や、別れの言葉と歌など繰り返し取り組んできました。また、年中組がホールの装飾を作ってくれたことやお祝いの歌を歌ってくれたことなどから、「卒園」ということを意識し、友達と一緒に活動を進めてきました。前日には「緊張する〜」「明日で最後だね、幼稚園楽しかった!」など様々な言葉が聞かれ、幼稚園生活が楽しかったことが感じられました。
当日は少し肌寒い気候ではありましたが、子どもたちが記念樹として植樹した梅の木の花が綺麗に咲く中、笑顔いっぱいの卒園児の姿がたくさん見られました。
この一年、友達と一緒に様々な経験をして、大きく成長した子どもたち。遊びを思いきり楽しむ中で、子どもたちの心が動く瞬間や、やってみたい、どうしてだろう?と疑問に思うことが数えきれないくらいありました。自らが主体的に遊びを楽しんでいく中で様々な成長が見られることを強く感じ、保育者としてその場面に何度も出会うことができたことがとても嬉しかったです。
大切な仲間と過ごした幼稚園でのかけがえのない経験を胸に、これから小学校にいっても自分らしく羽ばたいていってほしいと思っています。

【やちまた】

■◆■明徳やちまたこども園 保育教諭 大竹 潤弥■◆■
今年度、初めて2歳児クラスを担任しました。
「自分でやりたいけれど、上手くできない」「やることはわかってるけど、もっと遊びたい」そんな姿にどう対応し言葉をかけたらよいのか・・・子どもたちと同じように、私自身も葛藤した一年となりました。2歳児の難しさに直面する日々でしたが、その子にとって今大切なことは何か?その場、その時の最善を常に考え、接するよう心がけてきました。
子どもたちの成長は著しく、特に友だちや友だちのしていることへの関心は目に見えて変化があったように思います。友だちと同じことをしたい!と、真似をしては「一緒にやろう」と誘ってみたり、困っている友だちを見かけると「どうしたの?」「大丈夫?」と心配したり、存在を気にかけることが多くなってきました。自分の思うようにならず、トラブルになることや、“一緒”を喜ぶことで盛り上がりすぎてしまうこともありましたが、こういったことが子どもたちの成長には欠かせないのかなと、傍にいて感じることが多かったです。身の回りのことも、友だちがやらなければやらない、大人にやってほしいと甘えることもありましたが、進級を間近に控え「自分でやる!」という気持ちも高まってきています。
保育の難しさと面白さを感じたこの一年。私にとっても学び多き一年となりました。

【浜野】

■◆■明徳浜野駅保育園 保育士 南波佐間 紀子■◆■
3月13日(木)に卒園遠足で年長児は、千葉市動物公園へ行ってきました。
数か月前、子どもたちに「今年の卒園遠足はどこに行きたい?」と問いかけると、「絶対動物公園!」「去年の年長さんと同じところに、絶対行きたい‼」との事でした。去年の卒園遠足がクラス内で大盛り上がりし、年中の頃にその姿を見ていたので、〈同じところに行きたい〉という気持ちが強かったようです。去年と全く同じでは…と思い、コロナ禍前のように公共交通機関を利用して行くことを提案すると、「すごく楽しそう」「電車とモノレールに乗れるの⁉」と大喜びでした。
当日は、前夜の大雨が嘘のように晴れ渡り、上着もいらないぐらいの暖かさで、たくさんのお友だちと先生たちに見送られて「いってきま~す」と元気いっぱいに挨拶をして出発。モノレールに乗るのが始めての子も数人おり、先頭車両に乗って、運転士さんの後ろから景色を見ながら「わ~!ジェットコースターだぁ~」とスリルを楽しんでいるうちにあっという間に動物公園駅に着きました。すると、ちょうど子どもたちが楽しみにしていた、フクロテナガザルの鳴き声が聞こえてきました。想像していた声と違ったようで少し怖がっていました。
子どもたちは、象やライオン、レッサーパンダなどの動物を見るよりも、水槽の中を自由に泳ぐアシカを右へ左へと追いかけ、ホオジロカンムリヅルの猫に似たような鳴き声を真似たり、アカハナグマが一生懸命鼻で穴を掘っている姿を観察したりと、個性的な動物たちに魅力を感じたようで、とても新鮮な遠足になりました。今まで遠足の引率で、何十回と動物公園に来ていた私たちも「こんな動物がいたんだね!」「そんなことに興味をもったの⁉」と新しい発見がたくさんあり、子どもたちのおかげで千葉動物公園の新しい魅力を知ることができた1日となりました。
遊び疲れた帰り道、子どもたちが手を繋ぎながら、「先生!遠足すっごく楽しかったね」「連れてきてくれてありがとう」「楽しすぎる1日だったね~」と言ってくれ、嬉しさのあまり泣きそうでした。昨今、保育士に対する世の中の目が厳しくなり、保育の難しさを感じることもありますが、子どもたちの成長や頑張りを側で見守り、一緒に笑い、喜び合える「保育士」という仕事をしていることに改めて喜びを感じ、これからも子どもたちと一緒に成長していきたいと思うことができました。(保育士、最高‼)

【本八幡】

■◆■明徳本八幡駅保育園 保育士 金澤 萌■◆■
市川市交通部の方が来園し、横断歩道の渡り方や戸外での歩き方などを教えていただきました。
日頃散歩で外を歩くことが多い子どもたち。昨年実施したこともあって、「手を挙げるんだよね!」「手を挙げるのはここにいるよと見えるようにするためだよね!」と話し、4歳児は意味まで分かっている様子でした。
今年1年間、散歩など戸外での活動を通して、繰り返し外での交通ルールを伝え、また“自分で”意識できるようにかかわってきました。これまでの経験がつながっていたことを嬉しく思います。
また、道路で遊ばないこと、飛び出しはしないこと、道路は右側を歩くことの3つの約束をしました。どうしていけないのか?の意味も踏まえて考える時間になりました。
日常の保育の中でもどうしてなのか、どうしたらいいのかなど一緒に理由を考えるきっかけをつくっていっています。
春、暖かくなりこれからの散歩がさらに楽しみになった様子の子どもたちでした。
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